言葉が持つ伝える力

[スタッフブログ] [古里店]

言葉が持つ伝える力ってものすごいなと改めて思いました。
たまたま耳にした講談がきっかけです。

講談は落語のように座布団に座って行われる演芸です。落語との違いは、講談師の前には「釈台」が置いてあって、この釈台を張り扇で叩きながら話の流れにメリハリを付けます。演目は歴史物語が多いといいます。

是非生で見てみたい!と思っていたところ、"いま最もチケットが取れない講談師"としてその世界では非常に有名な講談師の独演会が、上山田で行われることがわかりました。売り切れ寸前で購入できたチケットを手に、まったく関心を示さない妻とではなく大学1年になる娘と一緒にでかけました。

まずは「マクラ」といわれる本題に入る前のちょっとしたおしゃべりからはじまります。そしていよいよ本題へ...。
日本人の耳になじむ朗々とした流れるような口調、七五調を取り入れた語り口で話はすすみます。登場人物や場面の転換も多いのですが、次第に物語の中に引きこまれ人物の身なりや過去、時代や日時、季節や町の景色などまでが明確に目の前に広がります。

あっという間の時間でした。
帰り道、「役者以上に役者だったね」といった娘の言葉が言い得て妙だと納得してしまいました。
現代のように伝達する技術が様々に発達する以前の時代には、言葉自身がいまより伝える力を持っていたのかもしれません。言霊という表現もあるように発する言葉の持つ"力"をもっと意識してみようと思いました。講談に限らず、伝統的な演芸というものをもっといろいろと楽しんでみたいです。
(若槻 薬局長)