8月のお盆のさなか裏千家茶道の発展にご尽力された大宗匠、千玄室氏が亡くなりました。102歳でした。私は20年ほど前に都内のとある女子大でご講演を拝聴する機会がありました。ハワイ大学出身、ジョーク交じりの気さくで優しいお人柄でしたが、その眼差しの奥には厳しい修行の道を通ってきた方特有の鋭さを感じました。社会に出て改めてお茶を習うことなかったものの、私にとって茶道は心の拠り所であり、作法はさておき、キッチンでお茶を点て、和室でなくテーブル席でいただくというスタイルで時折楽しんでいます。
千玄室氏の文化・平和活動の原動力は壮絶な戦争体験だったそうです。厳しい訓練に耐え、特攻隊員として沢山の仲間を失い終戦を迎えたそうです。戦争を絶対にしてはいけない、「一碗からピースフルネスを」というメッセージとともに世界中に茶道を広めた方でもあります。
拝啓大宗匠様、自国の利益にとらわれ、戦争、紛争ばかりしている国家元首たちを集めて、どうかお説教してくれませんか?そして最後に苦~いお抹茶と甘いお菓子でもてなし、皆をにっこり笑顔にしてくれませんでしょうか?
薬局長 柳沢